会員各位には平素より協会運営にご支援ご協力を賜りありがとうございます。
 1年延期された東京オリンピック・パラリンピックは、聖火リレー・来訪者・
観客をはじめ、多くの制約の中での歴史的にも異例の開催となりました。競技
においては、新たな価値をも感じさせる新種目における若い選手をはじめとす
る日本選手の活躍、開・閉会式・表彰式等セレモニーにおいては、コロナ禍が
強くした人の絆など、伝えられる映像から競技やスポーツを楽しむ人だけでな
く多くの人に感動を与える記憶に残る大会となりました。
 ワクチン接種や治療薬の開発が進められる中にあっても、感染力の強い新た
な変異株ウイルスの広がりが日常生活や企業活動に大きな影響を与え、発生か
ら1年半以上が経った今も収束の見通せない状況が続いています。
 協会の活動では、「測量の日」記念測量体験学習と定時総会が2年連続での中止および縮小開催となりましたが、高度技術学院の2講座は京都府様ほかに講師としてご協力をいただき、オンラインで多くの受講者の参加のもと開催することができ、後のアンケートでも好評を得ました。同様に理事会・委員会もオンラインを中心に開催しました。新年賀詞交換会をはじめ会員相互の対面による情報意見交換・交流の機会が失われていることはとても残念ですが、リスクの中で生活スタイルの価値や豊かさに対する私たちの感じ方・考え方にも少しずつ変化が生まれているようです。
 測量技術の変化に関しては、平板・トランシット・製図板といったデジタル化等によって姿を消した機器もあれば、TS等進化を重ね今も業務に欠かせないものもあります。そして変化は2次元から3次元へと。国土交通省では3次元モデルを用いたBIM/CIMを令和5年度までに小規模を除くすべての工事において活用への転換を目指すとしています。CIM活用のメリットの一つに3Dモデルによる完成形の可視化がありますが、私を含め熟年技術者の中には、長年平面図・断面図といった2Dに慣れてしまったがゆえに一般市民の方より3Dモデルに馴染みづらい欠点があるのかもしれません。一方、子どもの頃からゲームや様々な電子端末で3D画像を目にし慣れてきた若い人たちは有能で、若い技術者に大いに期待を寄せるとともに、より広い視点から将来の担い手の確保に向けて業種の魅力の向上と発信に努めなければなりません。
 利便性の向上や生活の多様な豊かさをもたらす人・物・情報の移動・共有における高速・大容量化の環境はめざましい進化を遂げてきていますが、一方で多くの尊い命が奪われ被害の影響が今も残る大震災や近年激甚化・頻発化する豪雨等の自然災害の発生により防災に関する基準も常に見直しの検討に迫られる実情です。8月に公表された国連IPCCの地球温暖化の現状や予測についての報告書では、その原因が人間の活動によるものと初めて断定されました。地震発生との因果関係は無いにしても、変化を起こすのも変化をコントロールするのも人間であると改めて感じさせられます。NHKの動画「モネで見つけるSDGs」では、気象予報士の方がSDGsのおよそ8割が気候変動にかかわっていることを解説されていましたが、環境の創造に深くかかわる私たち測量設計技術者も常に意識していたいものです。個々のインフラに求められる水準がますます高まっていく中、その整備・保全に携わる地域の守り手として、また地方版SDGsの実践者としても力を発揮すべく研鑽を積んでいかなければなりません。
 今年度より「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化計画」が政府全体で約15兆円という令和2年度までの3か年緊急対策を上回る事業規模でスタートしました。私たちの活躍の場が今後さらに広がっていくことと、その実感によって測量設計に携わる誰もの働きがいと希望につながっていくことを期待するものです。全測連をはじめ関係団体とも共同してこうした流れがより確かになるよう要望していきたいと思います。
 コロナによる制約はこれからもまだまだ続いていくのかもしれません。それならそれで、新たな知恵と工夫でもって協会の中長期的な姿も展望しつつ、切磋琢磨しあいながらともに元気を出して前進していきましょう。会員各位には一層のご支援ご協力をお願いいたします。
 最後になりましたが、国・京都府をはじめとする発注機関の皆様、また当協会を常に見守って下さる顧問の先生方に心から御礼を申し上げますとともに、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げてご挨拶といたします。

 

   令和3年9月吉日

                         一般社団法人 京都府測量設計業協会

                           会  長   滝下 亮好